自閉症が軽くないしゅんには野心はありません。向上心や克己心というのもありません。
しゅんは、3歳からママと毎日、療育をしてきました。
少しだけ説明すると、療育は応用行動分析や行動療法のロヴァース法と呼ばれるメソッドを中心とした勉強や運動などの課題です。一番多い時期は、週40時間、何らかの課題を他人と一緒に行うというスケジュールを過ごしていました。
これについてはまた別の機会でお話していこうと思います。
8歳でやめて、今は、ほとんど、勉強的な課題はしていません。当時、算数の課題はいやだった一方、絵を描く課題は楽でイメージがよかったんですね。
その延長なので、ママと絵を描くときは、集中のスイッチが入り長い時間描くことができます。(別の人だとあまりできません(涙)。)
更に、絵と切り絵は、しゅんの自閉特有のこだわり行動の一環で、それ自体が楽しいものだったみたい。
全く芸術的ではないパターン化した金魚、自動車、りんご、ワンピース、焼き鳥、かえるをこだわりで、何千枚も描いては切って、そして捨てる、という余暇を過ごしていました。
その特性を、少しだけ世の中に認められる方向にとんがらせて、絵を描いているうちに、綺麗な色で絵が完成すること自体が楽しくなってきたみたいです。しゅんはカラフルなものが大好きだったから。
発達障害の子は、独特な感性と執着やこだわりをもっているから、それが、アカデミックやアートなどに結びついたらきっと素晴らしい専門家になりますね。
世の中が健常で社交的なひとばかりだったら、人類はまだ洞穴の前で井戸端会議をしていたことでしょう、って高機能自閉症のテンプルグラディン博士も著書「我、自閉症に生まれて」で書いてらっしゃいました。
絵については、これからも、「少しだけとんがっていこう」と思っています。